百味箪笥·薬研·乳鉢の扉

【百味箪笥(ひゃくみだんす)】
江戸時代までは病気の治療薬として、主に漢方薬が用いられていた。漢方薬には複数の薬草が含まれている。通常治療で用いる薬草は100種類近く必要になる。そのため、たくさんの薬草をたくわえる引き出しが備わった薬箪笥が用いられた。多種多様の100種類ほどの薬草が引き出しに納められているので、百味箪笥とも呼ぶ。百味箪笥は依頼主の要望に応じて作製されるため、同じタイプのものはあまりなく、それぞれ特徴のある百味箪笥に仕上がっている。

【薬研(やげん)】
舟形の容器(臼)に薬草などを容れて、上部にある車輪状の「薬研車(やげんぐるま)」を前後に動かして、薬草などをすり潰したり、粉末にする道具。

【乳鉢(にゅうばち)】
薬を潰したり、複数の粉薬を混合するのに用いる器具。容器の鉢と潰す棒(乳棒)からなる。