横浜薬科大学には4学科の中に多くの
個性的な研究室があり、
日々薬学の研究を、教員と学生が
共に行っています。
今回は、学生が自分の所属する
研究室の教員にインタビュー!
研究室の特徴や取り組んでいる研究テーマ、
研究の魅力等について聞きました。
なかなか知ることのできない研究室をのぞいて、入学後の研究生活を想像してみましょう。

身近な感染症から、微生物の未知なる性質まで研究しています。

健康薬学科 感染予防学研究室
越智 定幸教授

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研究室の活動

越智先生

研究室名にもあるように、薬学領域のなかでも特に感染予防の研究を通して、人々の健康に貢献することをテーマとしています。目下取り組んでいるのは、効率的な感染予防を実現する、飛沫や接触等の感染経路の遮断方法です。新型コロナウイルス感染症の影響で注目されている分野ですね。また、別の専門分野の教員や学生と協力して、ワクチンの開発やワクチンの効果を高める実験も行っています。

健康薬学科 5年
西村莉彩さん
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指導の際に大事にしていること

西村さん

研究室で指導をされる際に先生が大事にしていることはなんですか?

越智先生

研究も勉強も楽しくないと続かないので、「楽しいところ」を知ってもらえるようにしています。もちろん苦労することもありますが、内容を理解できた時の嬉しさや、実験が成功した際の達成感を学生と教員が分かち合うことで、研究の成功という共通の目標に向かって進めると考えています。実験に失敗しても、そこから一緒に成功への手がかりを見つけることができると、学生も「失敗があったからこそ、求める結果にたどり着けた」と理解してくれます。
少しでも早くそのことを理解するには、勉強の基礎的な部分をしっかり学び、実験研究を充実させることが必要不可欠。そのために我々教員は、専門用語を分かりやすく言い換えたり、具体的な例を挙げたりすることで、学生が学んでいる内容を把握しやすくなるようにする努力を惜しみません。

西村さん

どんなに難しいこともかみ砕いて、分かりやすく教えてくださるので新しい分野にもどんどん挑戦できています。先生の教えが学生の役に立っていると実感するのはどのような時でしょうか?

越智先生

時折、卒業生が研究室に立ち寄ってくれます。開口一番、「教えていただいたことが、実際に薬局で働く中ですごく役に立ちました」「患者さんの悩みを解決するときに、研究室で議論したことがそのまま活きました」などと話してもらえた時に感じますね。授業では、患者さんに対して、どのように治療・予防を促すかを念頭に置いて学ぶよう、学生たちに伝えています。これは薬局や病院で、患者さんに相対する際に必須の考え方です。働く時のことを想像しながら学ぶと、学生も将来像を具体的にイメージでき、興味がわきやすいと思います。そういった学びが、実際に卒業後に活かされているのが喜ばしいです。

西村さん

私も卒業後に、そんな報告を手土産に研究室を訪れて、同じように先生を喜ばせることができるよう頑張ります!

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研究を志したきっかけ

西村さん

先生が現在の研究を志したのは何がきっかけだったんですか?

越智先生

私がこの分野を研究するようになったきっかけは、大学在学時の恩師との出会いです。入学時は微生物や感染症には興味が無く、有機化学や薬理学の研究室に入ろうと思っていました。しかしその先生と出会い、微生物という全く異なる方向に考えが向いたのです。驚いたのは微生物研究に対する情熱。先生の研究にかける熱い思いに感化され、他の事が目に入らなくなるほどのめり込みました。それ以来、微生物研究一筋でやってきました。

西村さん

私にとっては越智先生が、その役割を果たしてくださいました。もともとは漢方を学びたいと思っていましたが、実習で行った微生物の実験がとても楽しくて、この研究室を志望しました。毒にも薬にもなる菌の性質がとても面白いと感じ、微生物の研究に夢中です。先生が細菌研究に感じた魅力はどのようなものだったのでしょうか?

越智先生

微生物は、様々な物質を作って外に放出したり、それを私たちの組織や細胞の中に打ち込んだりします。その物質こそが、生体作用に変化を起こす能力を持っているのです。皆さんご存知のホルモンも、体内にある化学物質の一つで、生体に特殊な作用を起こすトリガーとなる物質です。しかしもっと少ない量で、ある特定の細胞の機能に変化を起こす能力を持つものを「バクテリア」(ばい菌)は作るんです。そのことにすごく興味を持ちました。
例えば体調を崩して、熱を出したことはありますよね?発熱を引き起こす物質は様々な種類がありますが、現在知られている最も強い発熱性物質は「ばい菌」が持ってる成分なんです。現存する化学物質の中で最も強い、そんな性質を持っているところに惹かれました。まだまだ分かっていないことも多いので、ばい菌の性質を解明する研究に貢献できたら嬉しいと思っています。

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受験生へのメッセージ

西村さん

最後に受験生に向けてメッセージをお願いします。

越智先生

どの大学の薬学部でも、国家試験に合格して薬剤師になるという目標は概ね共通しています。ただ、先生は大学によって違います。非常にユニークな先生が多い、というのが横浜薬科大学の特徴。学生と教員という立場の違いはあれど、学生と一緒になって喜んだり悲しんだりできる方が多いと思います。だから是非オープンキャンパスに足を運んで、浜薬の先生の魅力を感じてほしい。どんな悩みでもいいので相談してみてください。そうすると、先生の性格がよく分かると思います。
例えば、数学・理科で分からないところがあるという話でもいいですし、大学選び・就職の話でももちろん構いません。もっと言うと、友人関係で悩んでいるという話をしてもらってもかまいません。浜薬の先生なら、他の大学では聞けないような親身な答えが返ってくるのではないでしょうか。学生目線で考えてくれる先生が多いということを、オープンキャンパスで実感してもらいたいです。
一方で横浜薬科大学だけではなく、他の大学もにも足を運び、自分の目と耳と心で各大学の先生方と接してほしいとも思っています。そうすることで、大学にどんな先生がいるのか、自分にはどんな先生が合っているのかがだんだん分かってきます。

西村さん

ありがとうございました!

越智先生の紹介動画はこちら

【横浜薬科大学チャンネル 教員紹介「professional」vol.27】

無限の天然資源に隠された薬の意義を探索します。

漢方薬学科 薬用資源学研究室
李 宜融教授
(薬用資源科学博士、医学博士)

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研究室の活動

李先生

この研究室では、「生薬」と「薬用資源」という二つの領域の研究を行っています。薬用資源学研究室は名前の通り、無限の天然資源から薬用素材を見出す研究をしています。先人の知恵に学び、植物と触れ合いながら日々の暮らしに隠された薬の意義を探索しています。生薬、ハーブ、アロマ、薬膳、漢方......植物に秘められた力を全集中して、「探す・楽しむ・薬用資源学」の研究室です。研究方法としては、まず薬になりそうな「資源」を探します。集めたたくさんの資源の中から、薬効を持つものを選定するのが2つ目のステップ。そうやって集めた選りすぐりの資源を新たな「生薬」として研究したり、医薬品の開発に活かしたりします。生薬は古くから伝わってきたもので、薬物の知識をまとめた古典である「本草書」を調べても、科学的な管理がされてきたとは言い難いです。そういった資源について、科学を活用した分析・研究を通じて薬効のメカニズムを解明し、新薬の開発に挑戦しています。

漢方薬学科 6年
秋山美里さん
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研究の魅力について

秋山さん

植物や生薬を研究する面白さはどんなところにあると思われますか?

李先生

植物が持つ大いなる可能性に触れることができる点でしょうか。綺麗な花を見たり、香りを楽しんだり、美味しく食べたり、洋服を作ったり、染色もできますね。植物は食用や薬用、家具や燃料など、多様な分野においてあらゆる用途で使われていますよ。一見何の特徴も無いように見える植物でも、私たちの知らない価値が秘められているのではないか、と考えながら調査するのはとても楽しいです。

秋山さん

私も研究する中で、日々植物の魅力を実感しています。先生は色々な国に植物採取に行ってらっしゃいますが、これまでにいくつの国を訪れられましたか?また特に印象に残っているエピソードはありますか?

李先生

そうですね、50カ国以上は回りました。何度も行った国でも、訪れるたびに新しい発見があります。同じ植物でも国によって食べ方や使い方が違ったりして、非常に興味深いです。ペルーなどの南米は3、4回程訪れていますが、観光名所のマチュピチュ遺跡を素通りして、山肌の狭いインカ道に登って、標高2,693mのワイナピチュでかぜの初期症状に効く「麻黄(マオウ)」を調査しました。また、南太平洋のソロモン諸島で首狩り風習のある森林に探検して、宝さがしではなく、植物誌を編集するために植物資源を調べました。
色々な場所を訪れる中で大事にしていたのは、不測の事態に備えて細心の注意を払うこと。断崖絶壁の場所や、アマゾンの密林にも行きましたが、そういった環境では転落などの事故や、マラリアなどの病気に感染する可能性もあり、常に危険と隣り合わせ。ミャンマーに行ったときには、強盗に遭遇し銃を突き付けられたこともあります。

秋山さん

本当ですか!?

李先生

当時、ミャンマーは軍事政権だったので、植物採取に行くときは必ず軍人と警察官が一緒に来るんです。今でも外国人立ち入り禁止の地域があるくらいです。怖かったのは、夜に銃声が聞こえる中で眠ったこと。山に行くと、一週間お風呂に入れなかったりするのも嫌ですね。当時は本当に命がけでした。

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学生に身につけてほしい力

秋山さん

とてもインパクトのあるお話ですね。研究の中で様々な経験を積まれている先生ですが、私たち学生に研究を通じて身につけてほしい力はどういったものでしょうか?

李先生

大学は社会に入る手前の段階なので、社会人になるための準備をしっかりしてもらいたいです。薬剤師になる人たちですから、患者さんに情報を正確に伝えるため、安心感を与える接し方や話し方ができるコミュニケーション力が重要です。そういったスキルを意識しながら学ぶことが、非常に大事だと思っています。加えて現在のグローバル社会で必要とされるようになってきている、国際力も是非身につけてほしい力です。私の研究室では、卒論の進捗状況について発表・議論する場を大事にすることでコミュニケーション力を鍛えたり、積極的に国際学会で発表する機会を設けたりしています。秋山さんも台湾で行われた国際学会のポスター発表に参加して、見事「金賞」を受賞しましたね。おめでとう。

秋山さん

はい、「疣贅(いぼ)におけるヨクイニンとの関係性について」という研究テーマで発表しました。「ヨクイニン」とは、ハトムギの皮を除いた種で、古くから肌のために用いられてきた生薬です。調べていく中で面白かったのが、かなり古い時代から研究されていた内容だと分かったこと。古典本草書なども隅々まで読み込みました。一つひとつ調査を進めるのは地道な作業ですが、新しい発見があったり、他の本草書に書いてある内容と繋がったりと、研究ならではの面白さがあります。

秋山さん

先生が私たち学生に指導されるにあたって、心掛けていることはありますか?

李先生

些細なことでも気軽に相談できる、学生にとってのお姉さんのような、お母さんのような存在になれるよう意識しています。
薬科大学の学生は国家試験合格をめざして、通常の学部生より長い6年間勉強します。覚えることも多く、学習時間も長くて大変だと思います。
私は外国出身の女性教員であり、かつては日本や台湾の政府機関の研究員でもありました。その特徴と経歴を活かして、時には優しく、時には厳しく、学生一人ひとりの可能性を引き出し、そばで寄り添いながらこれからも学生たちを支えていきたいですね。

秋山さん

李先生には何でも相談できて、本当に助けていただいています。大好きです。

李先生の紹介動画はこちら

【横浜薬科大学チャンネル 教員紹介「professional」vol.5】

病気の原因を解明し、難病の治療に役立つ薬を開発します。

臨床薬学科 薬理学研究室
藤森 順也准教授

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研究室の活動

藤森先生

病気のメカニズムを明らかにすることで、より効果の高い薬の開発に繋げる研究を行っています。メタボリックシンドロームは研究室で扱った代表的な病気の一つです。なぜ発症するのか、人体に対してどのような悪影響があるのか等を皮切りに、病気の成り立ちを掘り下げました。最近は、循環系難病疾患にも挑戦しています。
所属する学生たちは、選んだテーマに最適な手法で研究を深めています。ひたすら手を動かし実験を繰り返す学生もいれば、古今東西の様々な文献を読み込んでいる学生もいます。

臨床薬学科 6年
菊池優生さん
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先生が取り組んでいる研究

菊池さん

先生が、現在研究されている内容について教えてください。

藤森先生

私が現在、取り組んでいるのは「血管病変」です。健康な状態の「正常血管」に対して、機能障害が発生している血管を「病的血管」と呼びます。血管病変は、実は網膜症や癌といった病気の原因の一つともいわれています。開発をめざしているのは、血管が体内で正常に作られるよう手助けをし、難病の治療に貢献できる薬です。今は、マウスを使って動物実験をしている段階です。

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指導する際に意識していること

菊池さん

先生が指導される際に、特に意識されているのはどのようなことですか?

藤森先生

必ず伝えるようにしているのは、自分の興味のある分野、やってみたい内容を卒論のテーマにしてくださいということ。というのも、興味があって、やりたいことでなければ続かないからです。まずは、自主的に研究テーマを見つけてもらうことを大切にしています。
もう一つは、思考する力、理解する力と同時に、信念を持って目標に向かって突き進む強さを、卒論の執筆を通して身につけてほしいということ。大学での学びの目標は、卒論を完成させることではなく、卒業後に薬のプロフェッショナルとして、得た知識を活かすことだと思っています。そのためには、苦難を乗り越える芯の強さを持つことが大切で、そういった力を鍛えるのに大学での研究は絶好の機会です。

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学生からみた研究室

藤森先生

ちなみに、菊池さんにとってこの研究室の魅力はどんなところでしょうか?

菊池さん

先生との距離の近さですね。一番好きな分野である薬理学のことについて、気軽に質問できる先生がいつも近くにいてくださるのは、とてもいい環境だと感じています。勉強のことだけではなく、大学生活に関する色々なことについて先生と学生で和気あいあいと話しながら楽しんでいますよね。

藤森先生

そうですね。研究室メンバーの距離の近さは学習や研究にも良い影響を与えています。
菊池さんの研究テーマは、糖尿病における脳卒中の発症リスクですね。血糖値が高ければ脳梗塞やくも膜下出血の発症リスクは高まると考えられてきましたが、最近の研究では低血糖でも同様にリスクが高まるということが言われています。低血糖と発症リスクの関連性について、菊池さんは詳しく調査しています。皆、自らの興味を積極的に掘り下げてくれており、頼もしい限りです。

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研究の面白さ

菊池さん

他のメンバーの研究が刺激となって新たなアイデアが生まれることも多く、研究って面白い!と改めて思うのですが、先生が考える研究の面白さはどのようなものでしょうか?

藤森先生

実験をやってみると、とにかく想像通りにならないということですね。意外な結果が出ても、焦らず立ち止まって理由をじっくりと考えてみる。そうして、新しい道を見つけてくださいと学生の方には教えています。そのプロセスが非常に大事なのです。失敗を経験せずに、思った通りに進んだら「よかった」で終わってしまいますよね。私もある程度自分なりの仮説を立てて進めますが、思った通りの結果はなかなか出てきません。上手くいかない理由を突き詰めていって、どんどん新しい方法を見つけ出すことは大変なことです。ですが、大変なだけに、それを見つけた時はとても嬉しいですよ。

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受験生へのメッセージ

菊池さん

最後に受験生にメッセージをお願いします。

藤森先生

自分が薬学を学ぶのは何のためなのか、薬剤師になって何を成し遂げたいのか、ということをしっかりと自分の中に持ち、受験勉強に励んでいただきたいと思います。「患者さんを助けたい」「社会に貢献したい」という思いは、きっとあなたの勉強のモチベーションになるはずです。高い志を持って薬剤師をめざす皆さんと共に、このキャンパスで学べることを楽しみにしています。

菊池さん

ありがとうございました!

有機化合物の設計を行うことで、薬の精製に役立つ物質を合成しています。

薬科学科 天然有機化学研究室
庄司 満教授

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研究室の活動

庄司先生

有機化学の知識を活用した化合物の設計が、当研究室で扱う内容です。まずは、作りたい化合物の性質を明確化。設計図を作成し、それに従って組み立てていきます。スタート時に描いた設計図では上手くいかないことも多いので、軌道修正をしながら進めます。
目標とする化合物は、薬に活用可能な物質。自然界には、強力な薬効を示すものの、微量しか得られず薬になっていない有機化合物が数多く存在しています。これらの有機化合物を人工的に合成することで、薬の精製に役立つ物質をより多く作り出す研究をしています。
さらには、複雑な物質を効率的かつ簡単に製造できる方法を模索中です。化合物の構図を少し組み変えることで、より薬としての効果が高いものを作りだせるのも、有機合成化学の強みだと思います。

薬科学科 4年
三浦慧宇さん
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研究の魅力について

三浦さん

先生にとって、この研究の面白さはどんなところでしょうか?

庄司先生

まず一つは、自分が欲しいと思った性質を持つ化合物が作れるところ。プラモデルやブロックを組み立てるのに似た楽しさがあります。頭の中にあるアイデアを自分でデザインに落とし込み、設計して作っていくというプロセスですね。途中で失敗しても、反省の中から次のステップに繋がるものを学び取ることで成長できます。もう一つの面白いポイントは、化合物の「反応の開発」です。分かりやすく言うと、今まで何段階もの手順を踏まなければならなかった反応を、一度の反応で実現する術を見つけることが狙いです。非常に難しいテーマなので、達成できた時の喜びを一度味わうと、研究が止められなくなります。そういう研究の醍醐味を学生には是非感じてほしいです。

三浦さん

化合物を設計するのは難しいことも多いですが、だからこそ成功できたときは本当に嬉しいです。

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学生の研究テーマについて

庄司先生

三浦さんは光反応の二酸化還元をテーマにしていますね。二酸化還元とは、物質を酸素と結び合わせる「酸化」と逆に酸素を失わせる「還元」を両方合わせたものになります。普通、化学反応と聞いて皆さんイメージするのは、フラスコの中でグルグル混ぜて、温めたり冷やしたりする過程かと思います。いわゆる「加熱」ですね。その加熱を熱の代わりに光で行うのが光反応です。この光反応を使って三浦さんは二酸化還元に挑戦しています。現在は二酸化還元の実験工程である「酸化」を行っていますよね?

三浦さん

そうですね。普通、炭素と水素の結合は切れないのですが、光を使うことで切断できます。そこに「酸素」を持ってきて「炭素」と「酸素」の結合を新たに作る、というような感じです。実験を通して、今までにない化合物を新たに生成するための反応を開発する、というのがいま進めている研究です。

庄司先生

とても興味深い実験だと思います。学生の三浦さんにとって、研究室の魅力はどんなところですか?

三浦さん

実践的な研究を通して、どんどん知識を身につけることができるところです。先生方に聞けば、なんでも教えてくださいますし、先輩方にも助けていただいています。分からないところや困ったことがあれば聞いて、一から手を動かしながら学べるのが魅力です。
実際、研究室に入ってから有機化学の成績がかなり上がりました。以前は成績がそこまでよくなかったのですが、先生や先輩方に教えていただいて、理解が深まったのだと思います。研究室の先生や先輩方には本当に感謝しています。

庄司先生

私自身、学生のときは勉強が苦手でしたので、「分からない」という学生の気持ちに共感できます。分からないことが理解できるようになってくると、非常に楽しいんですよね。「そういうことだったのか」と、新しく知る喜びを得られる。
研究だけでなく日常生活にも同じことが言えます。物事を理解する力が身につけば、毎日の生活がより豊かになる。化学や研究を通じて「分かる」ことの喜びを知るのが、人生にとってもプラスになるはずです。そういった成長こそが、私が学生に求めるものです。

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研究のやりがい

三浦さん

いまは有機化学について様々なことを教えていただいて、研究がとても充実しています。先生は研究のどんなところにやりがいを感じていますか?

庄司先生

私にとってのやりがいは、学生の皆さんの成長です。前提として、化学の研究を楽しんでもらうことが第一。興味をもってやるのと、嫌々やらされるのは、モチベーションが大きく異なります。「横浜薬科大学に、この研究室に入ってよかったな」と思ってほしい。社会人になってから、必ずしも化学の道に進む必要はありません。大学で学んだこと、研究したことが役に立っているという実感を持ってもらえると嬉しいですね。卒業していった方たちが、大学での経験を活かし社会で成長を続けてくれることが、私の一番の願いです。

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受験生へのメッセージ

三浦さん

受験生に先生からメッセージはありますか?

庄司先生

私の研究室が所属している薬科学科は、「薬と食品」といったように、薬単体の事だけではなく、他分野の学びと組み合わせながらサイエンスを学べるのが強みです。また私の研究室は特に実験が多く、化学の実験に興味がある人はぜひ来てほしいと思っています。失敗するのが当たり前という雰囲気なので、恐れずに挑戦してください。

三浦さん

ありがとうございました!

庄司先生の紹介動画はこちら

【横浜薬科大学チャンネル 教員紹介「professional」vol.2】