薬草園について

和漢薬に特化した
薬草が充実

漢方薬学科を有する本学の薬草園では、「和漢薬」の原料として使用される薬用植物を多数植栽しています。「和漢薬」とは、日本で開発された「和薬」と、中国医学で用いられる「漢薬」を融合した薬のこと。かぜ薬として知られる「葛根湯」の原材料である「芍薬(シャクヤク)」もその一つです。

300種類もの薬草に
出逢える

総面積約2,000平方メートルの敷地内には、漢方薬や民間薬、西洋ハーブとして用いられる300種類以上の薬用植物が植栽されており、四季折々に特徴的な花を咲かせます。植物ごとに、植物名や薬用部位、薬効等の情報を紹介しており、身近にある薬草や生薬の使われ方を間近に観察しながら学べます。

薬用植物生薬
知識の宝庫

薬学生にとって薬草園は、貴重な〝野外学習の場″です。「薬用植物学」「本草学」等の講義で学んだ知識を、実際に見て触れて、香りや味を体験することで、一層理解を深めています。薬草園の植物は、薬用植物の分類や栽培研究、生薬の品質や研究資源として活用されています。学習・研究の場としてはもちろん、薬剤師への実地研修の場、小中高生や地域の方々に対する見学の場として、薬用植物や生薬の知識を学内外に広く提供しています。

エリア紹介

緑豊かな園内は「和漢薬」「西樹木」「西広場」「西洋ハーブ」「木陰」「温室」の6つのエリアに分かれています。それぞれのエリアの特徴と代表的な植物について、ご紹介します。

漢方に配合される代表的な生薬を主に植えているエリアです。ボタンやシャクヤクをはじめ、重要な漢方処方に配合される生薬をおよそ50種類選定しています。葛根湯をはじめ馴染みのある漢方に配合される生薬の基原植物をじかに見ることができます。四季折々に、春はボタンやシャクヤク、夏にはスイカズラやコガネバナ、秋にはキキョウやオミナエシがエリアを彩ります。

木陰エリアには、"日陰もの"と呼ばれる植物が植えられています。オウレンやカラスビシャク、テンナンショウなど、夏の強い日差しを嫌う植物たちです。サンショウやジャノヒゲなど馴染みのある植物もこのエリアにいます。アミガサユリは名前の通り、編み笠のような可愛い花を咲かせ、春の木陰エリアの主役です。初夏になると、イカリソウが可憐な花を咲かせますが、実は精力薬です。

温室エリアには、冬場に枯れてしまう熱帯・亜熱帯の植物たちがたくさん栽培されています。入口付近ではウンカリアやシナモンがお出迎えします。中央には、コーヒーノキが幅をきかせています。その奥はフルーツエリアです。パイナップやモンキーバナナ、スターフルーやパッションフルーツなどなどトロピカルな雰囲気が味わえます。マンドラゴラや月下美人などめずらしい植物にも出会えます。

西洋ハーブエリアには、コリアンダーやフェンネル、ローズマリーなどのスパイスやハーブに使われるものや、エキナセアやセントジョーンズワートなどのサプリメントの原料植物も植えられています。またこのエリアの奥の方は、毒草エリアになっています。ジギタリスやエンジェルトランペットなどは園芸品種として知られていますが、実は毒草なのです。そのほか、ルリタマアザミやイヌサフランなどの毒草にも出会えます。

西広場にも西洋ハーブがたくさんあります。タイムやマジョラム、カレープラントやチャイブ、レモングラスやミント類。はたまたサボテンやアーティチョークなどなど、普段あまり見かけない植物に出会えます。ここは春先から秋にかけて、様々な種類の植物が次々に花を咲かせてくれる、にぎやかなエリアです。ハーブティーが楽しめそうな素材もたくさんあります。

夏の日差しから木の下に入ると、ホッとする樹木エリアです。このエリアには薬木が約20種類植えてあります。まずはヤマモモ、夏になると沢山の実が成ります。収穫すると山のようです。ダイダイは、夏でも冬でも一年中実をつけています。そのほか、シンイやナンテン、キハダといった和漢の薬木と、ゲッケイジュやオリーブなどの洋木が入り混じって育っています。

薬草園の四季

季節の移ろいを感じさせる薬草園の植物たち。
春夏秋冬で装いを変える植物たちの多彩な表情を、お楽しみ下さい。

夏の植物

園長挨拶

薬草園長
榊原 巌 教授 (漢方天然物化学研究室)

学生や教職員、そして地域の方々との交流の場を目指します。

薬用植物園は、薬科大学設置に必要不可欠な設備となっており、それは昔から今まで変わっておりません。何故でしょうか。その訳は、薬草が薬の原点であり、薬学の歴史を知るうえで重要だからなのです。そもそもクスリという漢字が"くさかんむり"なのもその理由の一つです。本学の薬用植物園は、約300種類の植物を有しております。漢方処方に配合する和漢生薬、サプリメント原料やスパイス・香料などに供される西洋ハーブ類、あるいは有害な毒草もあります。これらのすべてが、生きた教材であります。薬用植物園は、学生や教職員のための「学びの場」としての活用はもちろんです。さらにこれからは、地域の方々にも積極的に足を運んで頂き、「交流の場」としても活用していきたいと思います。

アケビ

植物名
アケビ
和名・漢名
木通(モクツウ)
ラテン名
Akebia quinata Decaisne
科名
アケビ科
部位
成分
アケボシド
薬効
通経、利尿
用途
(漢)消風散

COLUMN

昔から子供のおやつとして親しまれた果皮はほろ苦く、内部にひき肉を詰めて油で揚げたり刻んで味噌炒めにして食材とします(山形ではスーパーでも販売します)。国内では三枚葉のミツバアケビもあります。

ウツボグサ

植物名
ウツボグサ
和名・漢名
夏枯草(カゴゾウ)
ラテン名
Prunella vulgaris Linne var. lilacina Nakai
科名
シソ科
部位
花穂
成分
プルネリン
薬効
消炎、利尿
用途
(漢)夏枯草散

COLUMN

生薬名を夏枯草といい、夏に花穂が枯れることに由来します。花穂の形が弓矢を入れる靱(うつぼ)に似たため、ウツボクサと呼ばれ、薬用として開花期の花穂を用います。口内炎や扁桃腺炎の炎症を和らげる効果があります。

キキョウ

植物名
キキョウ
和名・漢名
桔梗(キキョウ)
ラテン名
Platycodon grandiflorum A.D.Candolle
科名
キキョウ科
部位
成分
プラチコジン
薬効
鎮咳、去痰
用途
(漢)桔梗湯

COLUMN

秋の七草の一つです。古くはキキョウを「あさごほ」と呼んでいましたが、いつしか朝顔にその名前を取られました。Platycodonはギリシャ語のplatys(広い)+kodon(鐘)といい、花の形に由来します。

クララ

植物名
クララ
和名・漢名
苦参(クジン)
ラテン名
Sophora flavescens Aiton
科名
マメ科
部位
成分
マトリン
薬効
苦味健胃
用途
(漢)三物黄芩湯

COLUMN

根を噛むとクラクラするほど苦いことから眩草「くららぐさ」が転じてクララと呼ばれます。絶滅危惧種オオルリシジミチョウはクララを好んで食草とするため貴重です。漢方にも用いられる生薬の一つです。

シャクヤク

植物名
シャクヤク
和名・漢名
芍薬(シャクヤク)
ラテン名
Paeonia lactiflora Pallas
科名
ボタン科
部位
成分
ペオニフロリン
薬効
鎮痛、鎮痙
用途
(漢)芍薬甘草湯

COLUMN

室町時代にはすでに栽培されていました。中国には「風姿婚約」という言葉があり、美しくてしとやかな女性をこの花にたとえ「芍薬美人」と呼びました。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」優美な麗人のたとえです。

トウキ

植物名
トウキ
和名・漢名
当帰(トウキ)
ラテン名
Angelica acutiloba Kitagawa
科名
セリ科
部位
成分
リグスチリド
薬効
補血、鎮痛
用途
(漢)当帰芍薬散

COLUMN

「不妊」で悩んでいたお嫁さんが、セリ(当帰)の根を煎じてせっせと飲んでいたところ、病弱な体も元気になり子宝にも恵まれ、実家に帰された嫁が当(まさ)に帰るべくして帰った。このことから「当帰」と呼ぶようになりました。

ハトムギ

植物名
ハトムギ
和名・漢名
薏苡仁(ヨクイニン)
ラテン名
Coix lacryma-jobi L.var. mayuen Stapf.
科名
イネ科
部位
種皮を除く種子
成分
コイキセノリド
薬効
利尿、消炎
用途
(漢)薏苡仁湯

COLUMN

江戸時代末期までは「トウムギ」「チョウセンムギ」などの名前で呼ばれ、明治以降は「ハトムギ」と総称されるようになりました。加藤清正が朝鮮出兵の際に持帰った説などがあります。収穫量が多く「八斗を収穫」できることに因みます。

ボタン

植物名
ボタン
和名・漢名
牡丹皮(ボタンピ)
ラテン名
Paeonia suffruticosa Andrews
科名
ボタン科
部位
根皮
成分
ペオノール
薬効
通経、鎮痛
用途
(漢)大黄牡丹皮湯

COLUMN

ギリシャ神話の「医学の神 "Paeon"」が名の由来です。中国の国花で、花言葉は「王者の風格」です。花の色が「丹(あか)」なるものを上とし、種を結ぶが新苗は根から生ずるゆえに「牡(雄)丹」といいます。

ミシマサイコ

植物名
ミシマサイコ
和名・漢名
柴胡(サイコ)
ラテン名
Bupleurum falcatum L.
科名
セリ科
部位
成分
サイコサポニン
薬効
解熱、鎮静
用途
(漢)小柴胡湯

COLUMN

ミシマサイコの名前は、静岡県三島地方のものが品質が優れていたことに由来します。現在の産地は宮崎県や高知県です。静岡県の柴胡は「ミシマデ」と呼ばれ、九州地方のものは、「カマクラデ」と呼ばれました。

ムラサキ

植物名
ムラサキ
和名・漢名
紫根(シコン)
ラテン名
Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zuc.
科名
ムラサキ科
部位
成分
シコニン
薬効
消炎、解毒
用途
(漢)紫雲膏

COLUMN

白くて可憐な花を咲かせますが、根が赤紫色をします。江戸時代にはこの根のしぼり汁を染料に用い、染め上げられた色は、「江戸紫」と呼ばれました。紫色は高貴な色で悪いものを寄せ付けないとされ、珍重されました。

ヤマノイモ

植物名
ヤマノイモ
和名・漢名
山薬(サンヤク)
ラテン名
Dioscorea japonica Thunb.
科名
ヤマノイモ科
部位
根茎
成分
ジオスゲニン
薬効
滋養強壮
用途
(漢)八味地黄丸

COLUMN

生薬名を山薬と呼び、根を薬用に用います。滋養強壮の効能があります。天然物の自然薯(じねんじょ)のほか、栽培品は形状や粘り具合により、長芋、銀杏芋(いちょういも)、捏芋(つくねいも)などの種類があります。

アミガサユリ

植物名
アミガサユリ
和名・漢名
貝母(バイモ)
ラテン名
Fritillaria verticillata Willdenow var. thumbergii Baker
科名
ユリ科
部位
鱗茎
成分
ペイミン
薬効
清熱、鎮咳
用途
(漢)清肺湯

COLUMN

生薬名を貝母(ばいも)といいます。鱗茎の大小2つが、母子が抱き合った姿が子安貝(タカラガイ)に似て見えることに基づいています。植物名の「アミガサユリ」の名前の由来は花の内側に網目の模様があることから編笠百合(アミガサユリ)と名付けられました。

イカリソウ

植物名
イカリソウ
和名・漢名
淫羊藿(インヨウカク)
ラテン名
Epimedium grandiflorum Morr. Var. thunbergianum Nakai
科名
メギ科
部位
地上部
成分
イカリイン
薬効
強壮、強精
用途
(漢)羊藿桑寄湯

COLUMN

英語でFairy Wings(妖精の翼)と呼ばれますが、全草は男性の精力剤に用います。漢方では淫羊藿(インヨウカク)と呼びヒツジが食べて精力絶倫になった(?)という伝説によります。

ウコン

植物名
ウコン
和名・漢名
鬱金(ウコン)
ラテン名
Curcuma longa L.
科名
ショウガ科
部位
根茎
成分
クルクミン
薬効
利胆
用途
(漢)胆道排石湯

COLUMN

室町時代に我が国に伝わり、その後江戸時代の前期になると琉球王国から薩摩を経由して全国各地に広まったといわれます。別名をキゾメグサ(黄染草)ともいい、カレーやたくあんの黄色色素です。スパイスの「ターメリック」としても知られ、沖縄ではウッチンと呼び「うっちん茶」として愛飲されています。

エンゴサク

植物名
エンゴサク
和名・漢名
延胡索(エンゴサク)
ラテン名
Corydalis turtschaninovii Besser forma yanhusuo Y.H.Chou et C.C.Hsu
科名
ケシ科
部位
塊茎
成分
デヒドロコリダリン
薬効
鎮痛、鎮痙
用途
(漢)安中散

COLUMN

伊勢地方(三重県)では「次郎坊延胡索」と呼ばれます。もともとは『玄胡索』と呼ばれてましたが、唐の玄宗皇帝の名と同じだったため、「玄」を「延」に無理矢理に変えられ『延胡索』となったそうです。

カラスビシャク

植物名
カラスビシャク
和名・漢名
半夏(ハンゲ)
ラテン名
Pinellia ternata Breitenbach
科名
サトイモ科
部位
球茎
成分
ホモゲンチジン酸
薬効
鎮吐、去痰
用途
(漢)半夏厚朴湯

COLUMN

生薬名を半夏(はんげ)といいます。二十四節季の一つ半夏生(はんげしょう)は、夏至から数えて11日目(7月2日頃)で、半夏が生える頃に因んで付けられました。カラスビシャクの茎をくりぬいて小遣いかせぎしたことから「へそくり」という名前がついたとも言われます。

サンショウ

植物名
サンショウ
和名・漢名
山椒(サンショウ)
ラテン名
Zanthoxylum piperitum DC.
科名
ミカン科
部位
成熟した果皮
成分
ヒドロキシサンショール
薬効
芳香性辛味健胃
用途
(漢)大建中湯

COLUMN

サンショウは別名を「ナリハジカミ」、英名は「Japanese pepper」と呼ばれます。ショウガもハジカミと呼ぶので区別のためこう呼ばれます。和歌山県が国内生産量の約80%を占め、有田川町の特産品になっています。

ジャノヒゲ

植物名
ジャノヒゲ
和名・漢名
麦門冬(バクモンドウ)
ラテン名
Ophiopogon japonicus Ker-Gawl.
科名
ユリ科
部位
根の膨大部
成分
オフィオポゴニン
薬効
鎮咳去痰
用途
(漢)麦門冬湯

COLUMN

別名を「リュウノヒゲ」とも呼び、庭草として人気があります。ジャノヒゲは掘り上げるとヒゲ根がたくさん出るため、竜の髭のようなのでこの名が付きました。根の先の肥大部が薬用部位で、加熱して柔らかくしてから中の芯を抜きます。透明感があり丸くなるので「丸麦」と呼びます。

セリバオウレン

植物名
セリバオウレン
和名・漢名
黄連(オウレン)
ラテン名
Coptis japonica Makino var. dissecta Nakai
科名
キンポウゲ科
部位
根茎
成分
ベルベリン
薬効
苦味性止瀉
用途
(漢)黄連解毒湯

COLUMN

多数のひげ根が黄色く連なることから『黄連』と呼ばれた。オウレンは葉の形状からキクバオウレン、セリバオウレンに区別される。黄連解毒湯など漢方に重要な生薬です。

イランイランノキ

植物名
イランイランノキ
和名・漢名
イランイラン
ラテン名
Cananga odorata(Lam.) Hook.f. & Thomson
科名
バンレイシ科
部位
成分
アントラニル酸メチル/リナロール
薬効
鎮静、解鬱
用途
ハーブ、香料

COLUMN

イランイランの名はタガログ語 (ilang-ilang) に由来し、「花の中の花」という意味です。インドネシアには新婚夫婦のベッドの上にイランイランの花を散らす風習があります。精神をリラックスさせるといわれますが、科学的にはむしろ興奮作用が見出されている興味深いハーブです。

ラウオルフォア

植物名
ラウオルフォア
和名・漢名
印度蛇木(インドジャボク)
ラテン名
Rauwolfia serpentina Bentham
科名
キョウチクトウ科
部位
根および根茎
成分
レセルピン/アジマリン
薬効
降圧、鎮静
用途
医薬品原料、サプリメント

COLUMN

印度蛇木とは、根の形が蛇のように見えインド周辺に自生することからこう呼ばれました。植物の属名は、ドイツ人医師ラウオルフィア氏から、種名のセルペンティナは蛇(サーペント)を意味します。

カギカズラ

植物名
カギカズラ
和名・漢名
釣藤鈎(チョウトウコウ)
ラテン名
Uncaria rhynchophylla Miquel
科名
アカネ科
部位
とげ
成分
リンコフィリン/ヒルスチン
薬効
降圧、鎮痙
用途
(漢)釣藤散

COLUMN

カギ状のとげを持ち、つる性(カズラ)の形状から、「カギカズラ」と名付けられました。かぎ状のとげは、1つカギ、2つカギと交互に生えます。血圧降下作用を持ち、漢方薬に用いる生薬の一つです。

コーヒーノキ

植物名
コーヒーノキ
和名・漢名
珈琲(コーヒー)
ラテン名
Coffea arabica L.
科名
アカネ科
部位
種子
成分
カフェイン
薬効
覚醒、鎮静、利尿
用途
嗜好品、飲料

COLUMN

アフリカ原産。焙煎した種子は最も人気のある嗜好飲料です。ジャスミンに似た香りの白い花を咲かせた後、コーヒーチェリーと呼ばれる甘い赤い果実をつけます。花言葉は「一緒に休みましょう」、まさにコーヒーブレイクです。

トリカブト

植物名
トリカブト
和名・漢名
附子(ブシ)
ラテン名
Aconitum japonicum Thunberg
科名
キンポウゲ科
部位
塊根
成分
アコニチン
薬効
強心、鎮痛
用途
(漢)八味地黄丸

COLUMN

ニリンソウとの誤植で食中毒を起こす危険な野草です。猛毒のトリカブトも、減毒修治することで、漢方には欠かせない重要な生薬なのです。その鎮痛効果は抜群で、八味地黄丸に欠かせない生薬です。

パイナップル

植物名
パイナップル
和名・漢名
菠蘿(ハラ)
ラテン名
Ananas comosus (L.) Merr.
科名
パイナップル科
部位
果実
成分
ブロメライン
薬効
健胃消化
用途
果物、菓子原料

COLUMN

pineappleという名前は、松 (pine) の果実 (apple)、「松ぼっくり」に似た外見をもつため果実に転用されました。漢名は菠蘿(はら)または鳳梨(ほうり)です。沖縄県では8月1日を「パインの日」に定めています。台湾のおみやげには「パイナップルケーキ」が定番です。

パッションフルーツ

植物名
パッションフルーツ
和名・漢名
果物時計草(クダモノトケイソウ)
ラテン名
Passiflora edulis Sims
科名
トケイソウ科
部位
果実
成分
プルナシン
薬効
解鬱、降圧
用途
果物、菓子原料

COLUMN

和名をクダモノトケイソウ(果物時計草)といいます。花を上から見ると時計の文字盤に見えることから名づけられました。青い果実が赤く熟すと食べごろです。コロイド状の果肉で、芳醇な香りとやや酸味が強く、追熟すると甘味が増して美味しく頂けます。

マンドレイク(マンドラゴラ)

植物名
マンドレイク(マンドラゴラ)
和名・漢名
恋茄子(コイナスビ)
ラテン名
Mandragora officinarum L.
科名
ナス科
部位
成分
クスコヒグリン
薬効
鎮痛、鎮静、瀉下
用途
有毒植物

COLUMN

別名をマンドラゴラと呼びます。あのハリーポッターの映画にも登場した、騒音を発するやっかいな草です。初夏には「恋なすび」と呼ばれる小さい青リンゴのような果実をつけますが有毒植物です。「曼荼羅華(マンダラゲ)」とは別物です。

ウラルカンゾウ

植物名
ウラルカンゾウ
和名・漢名
甘草(カンゾウ)
ラテン名
Glycyrrhiza uralensis Fischer
科名
マメ科
部位
根およびストロン
成分
グリチルリチン酸
薬効
抗潰瘍、鎮痙
用途
(漢)大黄甘草湯

COLUMN

リコリスとも呼ばれる甘味植物ですが、葛根湯にも配合される重要な生薬の一つです。ウラル地方を基原とする品種です。ちなみに、ラテン名の「Glycyrrhiza」とは「甘い草」という意味です。

エキナセア

植物名
エキナセア
和名・漢名
馬簾菊(バレンギク)
ラテン名
Echinacea angustifolia DC.
科名
キク科
部位
成分
エキナコシド
薬効
消炎、免疫増強
用途
サプリメント

COLUMN

アメリカ原産のキク科の植物。和名を紫馬簾菊といい、秋にうす紫色の花を咲かせます。欧米では上気道感染症の予防効果、免疫力賦活作用が注目されている重要なハーブの一つです。

コエンドロ(コリアンダー)

植物名
コエンドロ(コリアンダー)
和名・漢名
胡荽(コスイ)
ラテン名
Coriandrum sativum L.
科名
セリ科
部位
葉および果実
成分
2-ヘキセナール
薬効
健胃、駆風
用途
ハーブ、香辛料

COLUMN

地中海東部原産のハーブですが、東南アジアの料理には欠かせないハーブです。英名をコリアンダー、タイ名ではパクチーと言えばご存じの方も多いはずです。パクチーはトムヤムクンやフォーに欠かせない食材です。

ジキタリス

植物名
ジキタリス
和名・漢名
ジギタリス
ラテン名
Digitalis purpurea L.
科名
ゴマノハグサ科
部位
成分
ジギトキシン
薬効
強心利尿
用途
(局)ジギトキシン

COLUMN

心臓に対する毒性を持つ毒草です。その昔、ジギタリスは民間療法で"魔女の秘薬"の一つと呼ばれていました。余命僅かと診断された老女が、数週間後にはピンピン回復し、心臓疾患に対する奇跡的な効果が見出されました。

スペインカンゾウ

植物名
スペインカンゾウ
和名・漢名
甘草(カンゾウ)
ラテン名
Glycyrrhiza glabra L.
科名
マメ科
部位
根およびストロン
成分
グリチルリチン酸
薬効
抗潰瘍、鎮痙
用途
(漢)大黄甘草湯

COLUMN

リコリスとも呼ばれる甘味植物ですが、葛根湯にも配合される重要な生薬の一つです。ヨーロッパを基原とする品種です。ちなみに、ラテン名の「Glycyrrhiza」とは「甘い草」という意味です。

セントジョーンズワート

植物名
セントジョーンズワート
和名・漢名
西洋弟切草(セイヨウオトギリソウ)
ラテン名
Hypericum perforatum Ledeb.
科名
オトギリソウ科
部位
全草
成分
ヒペリシン
薬効
抗鬱
用途
サプリメント素材

COLUMN

和名を西洋弟切草といいます。欧米では、うつ病の症状緩和や、乾癬などの皮膚病の治療を目的として使用される、重要なハーブの一つです。ただし、日光過敏性を高めることがあるので注意が必要です。

チョウセンアサガオ

植物名
チョウセンアサガオ
和名・漢名
曼荼羅華(マンダラゲ)
ラテン名
Datura metel L.
科名
ナス科
部位
根、茎
成分
アトロピン
薬効
鎮痙、鎮痛
用途
(漢)通仙散

COLUMN

別名をマンダラゲ(曼陀羅華)と呼びます。我が国には江戸時代に薬用植物としてもたらされました。世界で初めて乳癌手術を成功させた華岡青洲も、この曼陀羅華を配合した麻酔薬(通仙散)を使いました。

ボリジ

植物名
ボリジ
和名・漢名
瑠璃苣(ルリジシャ)
ラテン名
Borago officinalis L.
科名
ムラサキ科
部位
種子
成分
ロズマリン酸
薬効
強壮、解鬱
用途
ハーブ、香料

COLUMN

和名をルリジシャ(瑠璃苣)といいます。中世ヨーロッパでは強壮薬として、現在でも気分を高める効果があるとして人気があります。イチゴの生育を助け風味を良くするコンパニオンプランツでもあります。花の色は「マドンナブルー」と言われます。

オタネニンジン

植物名
オタネニンジン
和名・漢名
御種人参(オタネニンジン)
ラテン名
Panax ginseng C. A. Meyer
科名
ウコギ科
部位
成分
ギンセノシド Rb1
薬効
保健強壮
用途
(漢)人参湯

COLUMN

根の形が人間に似ていることから「人参」と名付けられ、飛鳥時代には朝鮮経由で入りました。徳川吉宗が薬草栽培を奨励し、種子を諸藩に寄贈したため『御種(おたね)人参』 と呼ばれるようになりました。

マジョラム

植物名
マジョラム
和名・漢名
花薄荷(マヨラナ)
ラテン名
Organum majorana L.
科名
シソ科
部位
成分
ボルネオール
薬効
整腸
用途
ハーブ、香料

COLUMN

地中海沿岸が原産地。和名は「マヨラナ」といい、マジョラムが転じた呼び名となります。花言葉は、「常に幸福」。花嫁の花冠をマジョラムで作り、新婚の二人の幸福を願ったという風習に由来します。葉には、食欲増進・消化促進、体内のデトックス効能があります。

チャイブ

植物名
チャイブ
和名・漢名
西洋浅葱(セイヨウアサツキ)
ラテン名
Allium schoenoprasum L.
科名
ユリ科
部位
成分
アリシン
薬効
健胃、強壮
用途
香辛料

COLUMN

和名を「セイヨウアサツキ」と呼びます。ニラの近縁植物で、ニンニク臭がします。花言葉は「忠実、素直」です。中国で食用にされていたものを、13世紀にマルコ・ポーロが持ち帰り、ヨーロッパに広まったといわれます。根から出る分泌液で土中の微生物の動きを活発にし、活力ある土にする効果があります。

レモングラス

植物名
レモングラス
和名・漢名
檸檬茅(レモンガヤ)
ラテン名
Cymbopogon citratus L.
科名
イネ科
部位
成分
シトラール
薬効
芳香性健胃
用途
ハーブ、香料

COLUMN

イネ科の多年草植物です。原産地は南インド。エスニック料理に多く使われます。葉に柑橘系成分シトラールを含み、レモン様の爽やかな香りを持ちます。タイ料理のトムヤムクン、ベトナム料理のバインセオには欠かせない素材です。

ローズマリー

植物名
ローズマリー
和名・漢名
迷迭香(マンネンロウ)
ラテン名
Rosmarinus officinalis L.
科名
シソ科
部位
成分
ロズマリン酸
薬効
芳香性健胃
用途
ハーブ、香料

COLUMN

和名はマンネンロウ(迷迭香)。地中海原産のハーブです。ローズマリーとは「海のしずく」を意味し、ヨーロッパでは悪魔から身を守る神秘的な力を持つといわれます。人参や豆類の成長を促進したり、風味を良くするコンパニオンプランツでもあります。

ハッカ

植物名
ハッカ
和名・漢名
薄荷(ハッカ)
ラテン名
Mentha arvensis L.
科名
シソ科
部位
地上部
成分
メントール
薬効
芳香性健胃、駆風
用途
(漢)加味逍遥散

COLUMN

薄荷の葉を蒸留し、ハッカ油を採るとわずかな量になり持ち運びに便利だったため「軽い荷物」という意味で名付けられた。 英語ではミントといい、ギリシャ神話に出る妖精ニンフ(メンタ)に由来する。

アマチャ

植物名
アマチャ
和名・漢名
甘茶(アマチャ)
ラテン名
Hydrangea macrophylla Seringe var. thunbergii Makino
科名
ユキノシタ科
部位
成分
フィロズルチン
薬効
抗アレルギー
用途
健康食材

COLUMN

お釈迦様が生まれたとき天から甘い雨が降ったそうです。それ以来、お釈迦様の誕生日4月8日を「花祭り」として甘茶を飲む習慣が広まりました。灌仏会(かんぶつえ)といいます。

オリーブ

植物名
オリーブ
和名・漢名
橄欖(オリーブ)
ラテン名
Olea europaea L.
科名
モクセイ科
部位
果実
成分
オレイン酸
薬効
乳剤、軟膏原料
用途
(局)オリーブ油

COLUMN

地中海沿岸実が原産地で「太陽の樹」とも呼ばれます。果実は食用油(オリーブ・オイル)の原料や食用になるため、広く栽培されています。名前の由来は、ラテン語の「オリーワ」で、転じて「オイル」になりました。江戸時代、平賀源内が栽培に取り組んだ記録があります。小豆島での栽培が有名です。

クコ

植物名
クコ
和名・漢名
枸杞(クコ)/地骨皮(ジコッピ)
ラテン名
Lycium chinense Miller
科名
ナス科
部位
果実/根皮
成分
フィサリエン/クコアミン B
薬効
強壮、消炎、解熱
用途
(漢)杞菊地黄丸

COLUMN

韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)や杏仁豆腐のあの赤い実がクコの実です。枸(カラタチ)のようなトゲ、杞(コリヤナギ)のように枝がしなやか、ということで枸杞と呼ばれるようになりました。昭和40年頃、クコ葉が滋養強壮に良いとして大流行しました。

クチナシ

植物名
クチナシ
和名・漢名
山梔子(サンシシ)
ラテン名
Gardenia jasminoides Ellis
科名
アカネ科
部位
果実
成分
ゲニポシド
薬効
利胆
用途
(漢)黄連解毒湯

COLUMN

果実は黄色色素として食品に利用します。最古の植物書「本草和名」に『久知奈之(くちなし)』として収載されています。果実が開裂しないので「口なし」、細かい種子のある果実を梨に見立て(口梨)と名付けたとも言われます。

マグワ

植物名
マグワ
和名・漢名
桑白皮(ソウハクヒ)
ラテン名
Morus alba L.
科名
クワ科
部位
根皮
成分
モルシン
薬効
鎮咳去痰
用途
(漢)五虎湯

COLUMN

中国原産で養蚕のために日本各地で植えられ野生化しました。果実は集合果で楕円形、6~7月に赤い実をつけ黒く熟します。味は甘く、酸味はありません。薬用部位は根の皮を咳止めに使います。また美白効果があり、化粧水や乳液などスキンケア用品にも使用されます。

    サネブトナツメ

    植物名
    サネブトナツメ
    和名・漢名
    酸棗仁(サンソウニン)
    ラテン名
    Zyziphus jujuba Miller var. spinosa Hu ex H.F.Chou
    科名
    クロウメモドキ科
    部位
    種子
    成分
    ジュジュボシド
    薬効
    鎮静、催眠
    用途
    (漢)酸棗仁湯

    COLUMN

    ナツメの変種とされ、野生種に近く枝に棘が多くて果実が小型で丸く種子が大型なのが特徴です。種子は酸棗仁と呼ばれ漢方に用いられる生薬です。わが国の品種は、種子が大きいことから『実太棗(サネブツナツメ)』といいます。

    ダイダイ

    植物名
    ダイダイ
    和名・漢名
    橙皮(トウヒ)
    ラテン名
    Citrus aurantium L. var. daidai Makino
    科名
    ミカン科
    部位
    果皮
    成分
    ナリンギン
    薬効
    芳香性苦味健胃
    用途
    (局)苦味チンキ/(局)トウヒチンキ

    COLUMN

    ダイダイの果実の色から「橙色」が生まれました。果実は冬を過ぎても木から落ちずそのまま2~3年は枝についていることから「ダイダイ(代々)」と呼ばれ、縁起物としてお正月の鏡餅に乗せられるようになりました。

    テンダイウヤク

    植物名
    テンダイウヤク
    和名・漢名
    烏薬(ウヤク)
    ラテン名
    Lindera strychnifolia Fernandez-Villar
    科名
    クスノキ科
    部位
    成分
    リンデラン
    薬効
    解鬱、止痛
    用途
    (漢)烏薬順気散

    COLUMN

    秦の始皇帝が不老長寿の霊薬を求めて徐福という人を日本に派遣したという話があり、この時の霊薬がテンダイウヤクとされます。中国南部の天台山地方で取れるものが高品質で『天台烏薬』と呼ばれました。

    ナンテン

    植物名
    ナンテン
    和名・漢名
    南天(ナンテン)
    ラテン名
    Nandina domestica Thumb.
    科名
    メギ科
    部位
    果実
    成分
    ドメスチン
    薬効
    鎮咳去痰
    用途
    民間薬

    COLUMN

    中国原産。冬に赤くて丸い実をつけ、この部位に咳止めの効果があります。ナンテンとは「難を転じる」という意味に置き換えられ、日本では縁起物として庭木として植えられることが多い薬用植物です。

    ヤマモモ

    植物名
    ヤマモモ
    和名・漢名
    楊梅皮(ヨウバイヒ)
    ラテン名
    Myrica rubra Sieb. et Zucc.
    科名
    ヤマモモ科
    部位
    樹皮
    成分
    ミリカノール
    薬効
    止瀉、消炎
    用途
    染料、食用

    COLUMN

    夏期に実が紅紫色に熟し、食用に供します。樹皮は染料または、生薬名を楊梅皮(ようばいひ)として漢方にも用いられます。別名は楊梅。花言葉は「一途」「ただ一人を愛す」ひたむきな思いが感じられます。

    レンギョウ

    植物名
    レンギョウ
    和名・漢名
    連翹(レンギョウ)
    ラテン名
    Forsythia suspensa Vahl.
    科名
    モクセイ科
    部位
    果実
    成分
    マタイレジノール
    薬効
    消炎、排膿
    用途
    (漢)荊芥連翹湯

    COLUMN

    桜の開花の少し前に、黄色い鮮やかな花を咲かせます。レンギョウは詩人・高村光太郎が好んだ花で、4月2日は彼の命日で『連翹忌』と呼ばれます。シナレンギョウ、チョウセンレンギョウなどの種類があります。