お知らせ

日本ユニセフ協会 高円承子先生によるオンライン講義について

 グローバル化は数々の恩恵をもたらした一方で、経済、気候、疾病等、多くの問題を世界規模に拡大させる側面を持っていました。中でも先進国と途上国における格差の拡大は著しく、それが健康・福祉の面において多くの問題を引き起こしています。横浜薬科大学ではグローバルマインドを持った持続可能な社会の担い手を育成するため、社会的な視点で「健康格差」を考える教育を行っています。
 薬科学科1年で行う「社会薬学1」の授業(吉田 林講師)では、先進国と開発途上国の医療格差に焦点をあて、前半ではグローバル化とその問題点、後半ではその問題点を是正しようと試みる人々の働きを学びながら、自らに何ができるかを考えていきます。指針となるのは世界の経済、社会、環境の調和を目指して掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」です。
 8月4日には、ユニセフ協会の高円承子先生が「子どもの権利とユニセフの仕事」をテーマに、犠牲になりやすい子どもたちの存在と、SDGsとの関りについて、オンラインでお話しくださいました。
 学生たちは、当然守られるべき「子どもの権利」が保証されていない国があること、衛生的環境ではほとんど起こらない理由で乳幼児が亡くなっていること、世界の約半数の学校に石鹸で手洗いができる設備がないことなどを驚きをもって受け止めていました。またSDGs達成のためのユニセフと企業との協同事業、ワクチンを運ぶドローン、世界を変えるために若者が活動している実例などについても知ることができました。
 締め括りのメッセージとして、マングローブ再生プロジェクトを行っているパナマ共和国のアンジェロ君(13歳)の動画が流されました。「毎日たくさんの子どもや若者たちが思い切って行動しようと声を上げています。あなたの行動は世界を変えられる。みんなが少しずつ行動すれば"変化"を大きくできる。僕はマングローブの森を守っていく。あなたは何をしますか?」
 世界の子どもたちの健康格差と、それを正すべく立ち上がった人々・組織の活動について学んだこの授業は多くの学生の心に響いたようです。授業後の感想には「世界の状況をもっとたくさんの人が理解する必要がある」「他の国で起こっていることや国連の活動に興味を持った」「SDGsの取り組みについて知りたい」「自分にできることで力になりたい」など、グローバルな問題に対する積極的な関心・関与の思いがつづられました。
 高円先生、ユニセフ協会の皆様、素晴らしい学びの機会を与えていただきましてありがとうございました。

2020.10.02
研究・社会連携

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