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梶輝行教授が第127回日本医史学会学術大会において特別講演を行いました

 令和8年9月5日(土)に、教職課程センターの梶輝行教授が特別講演者として招聘され、歴史と伝統のある日本医史学会の第127回学術大会の特別企画「シーボルト江戸参府200周年」において、演題「1826年江戸参府から解くシーボルト事件」として特別講演を行いました。

 今年2026年は、ドイツ人フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが、オランダ商館長の江戸参府に医務官として随行し、江戸城で第11代将軍の徳川家斉へ拝礼を行い、また江戸滞在中に多くの蘭学者等と交流を行って、ちょうど200年目に当たります。梶輝行教授(日本シーボルト協会代表幹事)は現在、日本国内においてシーボルト研究を先導する第一人者として活躍され、国外でも著名な研究者の一人です。
 参加した300名以上の学識者や若手研究者、一般参加者などが集う中、日本とオランダに現存する史料を紹介しながら、いわゆる日本地図(「伊能図」)をめぐるシーボルト事件の真相究明に関して、新史料の紹介を通じて、これまでの見解を覆す新たな知見を紹介されました。

 梶教授によれば、今回の講演内容については、『日本医史学雑誌』第72巻第2号に抄録が掲載されていることを紹介したうえで、これまではシーボルトが伊能忠敬が作成した「大日本沿海輿地全図」(「伊能図」)を、それを管理する天文方兼書物奉行の高橋作左衛門景保に写図したものを、高橋が所望するクルーゼンシュテルン提督の航海記を贈呈する密約をして入手したとされてきたがそうではなく、高橋が日本地図を地政学に基づく海防政策に寄与する目的からオランダ本国か蘭領東インドのバタフィアで、銅板画による地図印刷を依頼したものであることを、論拠となる史料を示して、梶教授が精緻に紹介されました。7月1日の読売新聞の文化面では、梶教授の論文を指示して、シーボルト事件の冤罪が報じられて注目を集めました。梶教授が直接、事件の真相を究明されるということで、日本医史学会の講演には多くの参加者が集ったといえます。

 ここ数年、梶教授の研究室には、県内外の高校生や大学生をはじめ、外部からの問い合わせがにわかに増え、最近ではシーボルト事件のみならず、近世日蘭交流の歴史をはじめシーボルトが日本の医学や薬学に関心を抱くとともに、日本での漢方生薬の使用や流通に関する興味が高かったシーボルトの日本での活動について質問や相談が増えているとのこと。その中には、シーボルトが日本の漢方生薬に興味・関心を抱いた点に感動して横浜薬科大学で漢方を学びたいので受験することにしましたという高校生も含まれているとのこと。本学1年生の科目「医療と哲学」を担当する梶教授は、伝統的な医の倫理から現代的な医の倫理を学ぶ講義内容の中で、シーボルトの取組みについても若干紹介されており、講義を通じて、少しでも歴史の中での医学や薬学に興味・関心を持ち、現代の医療倫理と生命倫理の理解につなげてほしいと、学生の多くに期待をかけています。

■9月5日(土)の講演要旨は こちら

■梶 輝行 教授のプロフィールは こちら

2026.09.24
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